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    器の変遷と、北欧から届いた器。

    • 2018.09.01 Saturday
    • 16:13

    JUGEMテーマ:北欧インテリア

     

     

    先日お店に到着したヴィンテージを

    Webにアップしました。

    お気に入りのひとつはこの

    Gefle(Sweden)の3点セット。

     

    3点セットって何、と言う方は

    良かったらこちらの記事をどうぞ。

     

      

     

             -- -- -- -- (山折) -- -- -- --

     

    3点セット、がこの形になったのは

    イギリスで1840年頃と

    意外に歴史は古くありません。

      

    アフタヌーンティーの需要とともに

    この形式となって言った事を考えると

    貿易、特に砂糖との関係が大きいのが

    良くわかる気がします。

    (詳しくはこの本あたりがお勧めです)

     

     

    では、ざくっと器の歴史を

    遡っていきたいと思います。 

      

    http://www.pilotguides.com/wordpress/wp-content/uploads/2012/10/1280px-The_Mill_Yard_-_Ten_Views_in_the_Island_of_Antigua_1823_plate_V_-_BL-640x280.jpg

      

    ヨーロッパ諸国で磁器の生産が

    始まったのは17世紀の初頭。

     

    大航海時代、輸入に頼っていた磁器を

    ヨーロッパの国内で生産ができないかと

    各国はしのぎを削ります。

     

    収集家でもあったザクセン王

    アウグスト一世もその中の一人で、

    磁器の生産を錬金術師ベトガーに命じ、

    1709年ついに硬質磁器が完成しました。

     

    この成功をもとに開業されたのが

    ヨーロッパで一番古い磁器会社マイセンです。

     

    その技術は秘匿とされていましたが

    やがて各国に伝わり、1726年には

    北欧スウェーデンでも王室ご用達として

    ロールストランドが開窯しています。

      

    当然ながらこれらの磁器は高級品で、

    王侯貴族が相手ですから格式も必要とされ

    テーブルマナーが徐々に、厳格に

    定められていくこととなります。

     

    https://i1.wp.com/dynamicwomenfaith.com/wp-content/uploads/2015/12/TopTenTableMannersDinnerTableRules.jpg?resize=1080%2C752

     

    この当時のテーブルセッティングとしては

    4,8,あるいは12をひとつのセットとして

    販売がされていました。

     

    購入者は王侯貴族を中心とした富裕層で、

    破損したテーブルウェアは補充される形で

    その家で受け継がれていく事となります。

     

     --  --  -- --  --  -- --  --  -- --  -- 

      

    ヨーロッパで製作される前は、

    中国などアジアからの輸入品でした。

    (16世紀中盤〜)

     

    「磁器は金と同じ重さで交換される」

     ・・・なんて言葉もあったくらいです。

     

    https://ak9.picdn.net/shutterstock/videos/1156129/thumb/1.jpg

    本当でしょうか?お店の磁器を持っていきたい。

     

    17世紀半ば、中国が国内の混乱により

    海禁制(鎖国)が敷かれることにより

    日本の磁器(有田、古伊万里等)も

    多く輸出されています。

     

     --  --  -- --  --  -- --  --  -- --  --   

      

    磁器以前は、というと

    銀や錫といった金属器が用いられました。

    (上流階級の話です。)

     

    http://www.theseraph.com/images/pewter.gif

     

    現代でも銀や錫の評価が高いのは

    この時代の影響も大きいと思います。

     

    ちなみに世界初のテーブルマナーの専門書は

    この時代(15世紀頃)に著されたようです。

     

    1533年、アンリ2世(フランス)に嫁いだ

    カトリーヌ・メディシス(メディチ家)お抱えのシェフが

    「食事作法の50則」を著したと言われています。

     

    宴会での様子ですが、当時の食事風景では

    手づかみで食べ、指をしゃぶり、

    大声で歌い、飲み、罵り合い、

    喧嘩に至る・・・といった記述が散見します。

     

    −7人以上の食事の席では、誰かが殺されても

     参加者は罪に問われない

     

    ・・・なんてとんでも法律があったくらいで、

    マナーという言葉には程遠いの時代です。

     

    https://jgreenstein.com/wp-content/uploads/2017/11/JG17F-67.jpg

     

     --  --  -- --  --  -- --  --  -- --  --   

     

    金属器が使われる前は、木が中心です。

     

    といっても現代のお皿の形状ではなく、

    まな板のようなざっくりとした形で

    現代で言うと大皿のような意味合いで

    テーブルに提供されていたようです。

      

    https://www.omerohome.com/sites/default/files/products/antique-french-breadcharcuterie-board_5.jpg

     

    取り分け用、としては硬くなったパンが

    受け皿として使われていたようです。

     

    トランショワール と呼ばれるそのパンは

    そのまま食べられる・・・事はあまり無く、

    貧民に施されたり、家畜のえさにと

    されていたようです。(諸説あり)

     

     

    ちなみにこの頃はフォークもスプーンも無く

    なんでも手づかみで食べる時代です。

    (ナイフはありました。)

     

    宗教的観念(食事=神が与えたもの)もあり

    手づかみこそ正しい、という考えのため

    カトラリーが庶民に根付くのが遅くなり、

    浸透したのは17-18世紀となります。

      

    http://www.lavocedelvolturno.com/wp-content/uploads/2016/01/Le-Nozze-di-Cana-in-Galilea-particolare-sinistro.jpg

     

     --  --  -- --  --  -- --  --  -- --  --   

      

    ・・・と、徐々に形作られたマナーですが、

    実は19〜20世紀にまた変化があります。

      

    大きな変化は庶民、という定義。

    富裕層だけではなく、一般の民衆が

    食器を揃えるようになりました。

     

    その結果、食器の揃え方は

    もう少し規範が緩くなり、また

    カイ・フランクの"KIRTA(=Teema)"のように

    揃える、という概念自体も変わりました。

     

    ※Kirtaは「 ディナーセットを玉砕せよ 」という

    スローガンのもと、異なる食器と合わせるための

    シリーズとして発表されました。

     

             -- -- -- -- (谷折) -- -- -- --

     

    現代では、少なくとも一般の家庭では

    "セットですべて揃える"と言う事は

    あまり必然性が無い時代だと思います。

     

    気に入ったものを、必要なだけ。

     

    https://scontent.cdninstagram.com/vp/6f2c6a9d523e0c249f425339fc2676b8/5BEC99A0/t51.2885-15/sh0.08/e35/s640x640/36159785_1831500046979331_6308048558176075776_n.jpg

     

    肩肘を張らず、そういった遊びのある

    食器の選び方が出来る現代って

    なんだかとても楽しいように私は思います。

      

    → ヴィンテージ一覧

        

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    アラビアの陶器、ちょっとした裏話。

    • 2018.08.05 Sunday
    • 18:49

    JUGEMテーマ:北欧インテリア

      

     

    本日もご来店、

    ありがとうございました。

     

    北欧買い付けフェアも、

    残すところあと1週間。

     

    http://www.prae.jp/image/special124.jpg

     

    お時間がゆるしましたら、

    ぜひイベント期間中にご来店くださいね。

     

    --+*+--+*+--+*+--+*+--+*+--+*+--

     

    昨日の入荷から。

    アラビアのエステリ(1964-71)

     

     → Arabia Esteri 

     

    このシリーズは詳しくなかったので

    昨晩、いろいろと調べてみたのですが

    Webでは色々と異なる情報がずらり。

     

    製造されていた年代も69年の1年間のみ、

    とされていたり、1970~71年だったり。

     

    思わずこの人を頭に浮かべましたが、

    名前を思い出すのに一苦労だったり。

     

     

    ちなみに今回入荷したものは

    バックスタンプで69年製と70年製があり、

    少なくとも69年1年のみは違います。*

     

    https://scontent-nrt1-1.xx.fbcdn.net/v/t1.0-9/38437665_1280595548744514_637079057430740992_n.jpg?_nc_cat=0&oh=1b2b355467aed4264ad71e043823ab88&oe=5C0573C6

    上下逆だ・・・すみません。

     

    資料を調べても良くわからなかったので、

    送ってくれた詳しい現地スタッフに確認。

     

    ・・ということで1964〜71年、という事で

    まずまず間違いが無さそうです。

     

    ちょうど50年ほど前のヴィンテージ。

    いま見ても、デザインが可愛いですね。

     

     

    *【多分一生使わないアラビア豆知識】

     

    アラビアではフォルムタイプ(Sモデルなど)があり

    素焼き→本焼き→上絵と仕上げる場合は

    事前に本焼きまでされたものを

    後年に使うようなケースも確認しています。

     

    ということで今回の話ですとシリーズは

    1969年を含んでいないそれ以降(1970~72など)

    という可能性は実はあったりします。

     

     

     

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    クイストゴーと、Azurのちょっとした秘密。

    • 2018.07.22 Sunday
    • 17:00

    JUGEMテーマ:北欧インテリア

      

     

    北欧買付での楽しみのひとつは

    デザインの周辺が知れる事だと思います。

    → フラワーベース

     

    このクイストゴーのフラワーベースも

    幾つかの疑問点がある、

    そんなアイテムのひとつでした。

     

    Azurと同様の釉薬をしていて、

    底にはKronjydenのロゴ。

     

    市場に出回る機会の少ないアイテムで

    同じモチーフの色違いで、

    Umbra(ブラウンアズール)や

    Relief(レリーフ)の色目があります。

     

     

     

    以前、現地の信頼できるディーラーから

    「1965年」に「Richard Nissen」の

    スタジオのために製作された、と

    その履歴を聞くことが出来ました。

     

    オリジナルのデザイン、

    ヴァリエーションの理由、

    市場への出点数の少なさなど

    幾つかの理由はそれで判明したのですが

    少しだけ疑問が残る話でもありました。

     

    今年の買い付けでは、

    詳しい方とお話をしていくうちに

    その残った疑問もほぼほぼ、

    解消することが出来ました。

     

    https://scontent-nrt1-1.xx.fbcdn.net/v/t1.0-9/37397777_1260664854070917_6782756179413041152_n.jpg?_nc_cat=0&oh=02ce07d020075083c04a25a461bed077&oe=5BCD8155

    この方もそのお一人です。北欧デザイン生き字引。

     

    誰が作っても良いものは良いですし、

    プロの駄作も、素人の傑作もあります。

     

    ただ店舗として商品を提案している以上、

    出来れば右から左へ動かすのではなく

    少しだけ背景を知った上で、

    ご提案がしていければ良いですよね。

     

    http://www.prae.jp/item_img/c2371_3.jpg

     

    このフラワーベースの秘密は…

    文章に残すほどの確証はまだ無いので、

    店頭で良かったらお声掛け下さい。

    (他の資料でも確認出来たらアップするかも、です)

     

    別にそれで、

    デザインの品格が変わるような事でも

    無いんですけどね。

     

    ちなみに北欧の(ヴィンテージ)デザインで、

    一番知識の礎にしてはいけないのは

    お洒落なまとめ系サイトです(笑)

     

       

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    Tamara Aladinのベースと、彼女の少し不思議な経歴。

    • 2018.04.13 Friday
    • 17:26

    JUGEMテーマ:北欧インテリア

     

     

    窓辺から入る光も

    なんだか柔らかくなった気がします。

     

    今日はフィンランドから届いた

    フラワーベースをご紹介いたします。

     

    デザイナーはTamara Aladin。

     

    フィンランド、リーヒマエンラシで

    製作された作品となります。

     

     

    1966-68年の間に製作されたこちらは

    "氷が解けゆく様子"を描いたようです。

     

    春をむかえたこの季節にちょうど良い、

    透明感も感じる作品ですね。

     

    碧色のガラスに透明のガラスを重ね

    手拭きで仕上げられており、

    天に向かってふわっと抜けるような感覚が

    とても繊細で美しく思われます。

     

    → Tamara Aladin ベース

     

    ー+−−+−−+ーー+−−+−−+ーー+−

     

    このデザイナーのタマラは

    リーヒマエンラシ(リーヒマキガラス)の

    主要デザイナー…ではあるのですが、

    あまり公に出るのが好きでないのか

    その作品数の多様さに比べ、

    情報や画像の少ないデザイナーです。

     

    https://images.cdn.yle.fi/image/upload//w_1198,h_674,f_auto,fl_lossy,q_auto/13-3-5633857.jpg

    男性の後ろに立つ左上の女性がタマラ・アラディン(1932-)

     

    Wikipediaによると1950年代半ばに

    Taideteollisen oppilaitoksen(デザイン学校)の

    陶芸科を卒業し、56年から76年の期間

    リーヒマキラシに勤務していたようです。

     

    リーヒマキの前は2年ほどフライトアテンダントとして、

    管制官とパイロットの間で通訳(ロシア語)をしていました。

    とても多才な方なんでしょうね。

     

    退社後は公への露出はごく少なく、

    2010年と2012年の2回、フィンランドの美術館で

    展示会が開催されたということでした。

     

    調べていると、

    フィンランドの方のブログにも

    雑誌で紹介された様子がありましたが

    私が知る限りではこれを含め彼女の写真は

    3枚のみとなります。

     

    http://3.bp.blogspot.com/-frB67PbdMJo/UGhyS9sjdfI/AAAAAAAAEyE/hr5J5gYPlXY/s400/P1030536.JPG

     

    現在、フィンランド現地でも

    タマラの作品は再評価の流れとなっています。

     

    リーヒマキで製作された作品は150以上。

    署名が無いものが多いため、

    実際にはもっとずっとあると思われるようです。

     

    繊細で、

    それでいて存在感の強いタマラの作品。

     

    花を飾るのが楽しくなるこれからの季節、

    良かったらいかがでしょうか?

     

     

      

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